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天北線 浜頓別付近(浜頓別ーカムイト)のアイヌ語地名

天北線

天北線浜頓別駅に停車中の音威子府行き


今回は、浜頓別より天北線跡のサイクリングロードを利用してモケウニ・カムイト沼まで行った際の記録です。(写真は過去撮影のものを含みます)

浜頓別ー安別

平成元年に廃止された天北線ですが、沿線の中心地が浜頓別でした。もともとは頓別と言っていましたが中頓別分村の際に浜側にあることから浜頓別となりました。

天北線

浜頓別駅入場券と廃止記念スタンプ

浜頓別駅

天北線浜頓別駅(廃止後のバスターミナル時代)

浜頓別駅

旧浜頓別駅(裏より廃止後1年後)

天北線廃止後、旧駅は一時はバスターミナルとして使用されましたが現在は見る影も無く近代的なバスターミナルに生まれ変わっています。

サイクリングロードは駅より猿払方面に歩いて20分ほどの場所から始まります。近くにある浜頓別温泉ウィングではレンタサイクル1日500円と格安ですので借りることが出来ますので温泉利用も含めご利用をお奨めします。

エゾシマリス

運がよければエゾシマリスにも出会えます。(サイクリングロードにて)

サイクリングロードに入り、少し走ると旧天北線屈斜路川橋梁を渡ります。この場所はアイヌ語でトークッチャロと呼ばれト・クッチャロ(沼の・咽喉もと)つまり沼からの水の流れ出る場所と言われていました。

天北線屈斜路川橋梁

まさにこの部分がトークッチャロと云われた所です。

天北線屈斜路川橋梁

旧天北線屈斜路川橋梁

天北線屈斜路川橋梁

国道より見た旧天北線屈斜路川橋梁

クッチャロ川を渡り、少し進むと筑紫川を渡ります。アイヌ時代はチプクシナイと呼ばれ、チプ・クシ・ナイ(舟が・通る・沢)という意味でした。また智福地区の語源もここからきています。

筑紫川

舟が通るにはぎりぎりの大きさのチプクシナイ(筑紫川)

暫く走ると、木々の間からクッチャロ湖を見ることが出来ます。おそらく昔はたんにトーまたは(湖)と呼ばれていたものを和人が地名を区別するために湖口の地名をくっつけてクッチャロ湖と名付けたものと考えられます。

クッチャロ湖

木の間から見るクッチャロ湖

旧天北線の車窓をイメージしながら自転車をこぎ前進するとまもなく、休憩所になった旧山軽駅に到着します。

山軽

写真では分かりませんが残された駅名票からいまでも「やまがる」と判別できます。

山軽ですが、アイヌ語のヤムワッカルからきた地名で、・ワッカ・ル(冷たい・飲み水・道)からで冷たい飲み水を得るための道につけられた地名だと考えられます。

松浦武四郎の「蝦夷日誌」のヤムワッカルの記述

清水と云う事なり、小川有り、此処昼休所、仮小屋を懸たり、夷人と此処に湯をわかし休ひ、しばし午睡をして立。

この記述を読むと150年ほど前と形は違うとはいえ、なんか現在と似ているように感じます。

山軽は現在無人地区ですが、最盛期には丸太材の集積所として賑わい、戸数120人口550名で山軽小学校もありました。(昭和41年廃校)

現在の山軽は当時の面影も全く無く、自然の回帰の速さを感じさせられます。また近くには語源になったヤムワッカル川が流れています。

山軽

山軽の語源ヤムワッカル川

暫く、木々の間を気持ちよく走るとやがてクッチャロ湖が見渡せる絶景のポイントに差し掛かります。サイクリングロードでは一番の絶景が広がります。

クッチャロ湖

クッチャロ湖後の山は珠文岳、右端上の小さな盛り上がりがピンネシリ

本当はこういう風景を見ながら、美味しいご飯を食べたり、ビールを飲んだり、うたた寝しながら本を読めれば最高ですが、立ち止まるとすぐに自然の番人虻やブヨが襲ってくるのですぐに退散しました。

湖が見えなくなると、やがて安別駅のあった車道と交差します。現在、駅のあった近くのバス停は「ひょうたん沼入口」になります。

安別はアイヌ語のヤスベツからで、ヤ・ペッ(すくう・川)で魚などを網ですくったことから名付けられています。川や集落自体は湖をはさみ反対側にあります。

安別

国道沿いにある安別バス停

安別ですが樺太西海岸の北緯50度線(ソ連との国境)に同じ字で安別(あんべつ)という地名があり、同じ北ということで私の好きな地名です。

次に「ひょうたん沼」ですが、地図上には現在もポン沼と表記されています。アイヌ語のポントでポン・ト(小さい・沼)からです。

ひょうたん沼

ポント(ひょうたん沼)

安別ーカムイト

安別駅跡を過ぎ、ひたすら、木々の間を走るまさに鉄道跡を思わせるサイクリングロードを進むと、車道と交差したところで、板敷きの短いホームが現れます。

ここがかって人気のあった天北線「飛行場前」仮乗降場の跡で草生した板張りのホームと駅名票の枠が残っています。ちなみに駅名票は鬼志別バスターミナルに展示してあります。

飛行場前

飛行場前仮乗降場跡、右はひたすらまっすぐな線路跡を利用したサイクリングロード

飛行場前

鬼志別のバスターミナルに保存中の駅名票

もちろんここには、飛行場はなく周りには牧場や店が1件ある程度ですが、戦前に飛行場を建設した歴史があります。興味がある方は本多勝一氏の「北海道探検紀」をご一読ください。

ここより、しばしサイクリングロードを離れ、3キロほど海側へ走るとモケウニ沼に着きます。沼はおそらく名無しの沼に近くのアイヌ語地名のモケウニを付けたものです。

モケウニ沼

とても気持ちがいい風景のモケウニ

モケウニの地名は松浦武四郎の地図を見ると、海岸沿いの地名であり、その隣には対をなすオンネケウニの地名がありました。つまり、モ・ケニ(小さい・ケウニ)オンネ・ケニ(大きい・ケウニ)

ケウニ自体は非常に意味が分かりずらい地名でケゥ・イ(骨・所)で、魚などの骨を置いた場所だったのかもしれません。

また同じ道を戻り、サイクリングロードを目指しますが途中の牧場からの糞の臭いはなかなかのハイレベルでした。

サイクリングロードを少し走ると、浅茅野駅のあった集落につきますが雰囲気は残っていますが何も残っていませんでした。ここよりサイクリングロードを外れカムイトを目指します。

(サイクリングロードは猿払まで続いています。)

集落をすぎると、まもなく、猿払川と旧天北線の猿払川橋梁を見ることが出来ます。

天北線 猿払川橋梁

今列車が来てもおかしくないほどの猿払川橋梁

3キロほど車道を走ると最終目的地のカムイトに到着します。カムイトはアイヌ語でカムイ・ト(神の・沼)を意味します。

神秘的な沼で人気がある沼ですが、私は虻の大群に囲まれてすぐに脱出せざろうえませんでした。これも神々しい沼なので虻が人間が近づかないように見張っているのかな〜と思い沼を後にしました。

カムイト

神秘的なカムイト

カムイトは残念ながら、松浦武四郎の日誌や地図には出てきませんが名前のとおり神秘的な沼です。(季節や条件が合えばすばらしい景色を見せてくれると思います。)

ちなみに同じ宗谷の稚内市のルエランにある坂ノ下神社のそばにある竜神沼は、松浦武四郎の日誌や地図ではカムイトウとして紹介されています。

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