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樺太アイヌの生活

極北の別天地 樺太アイヌの生活と樺太事情 (大正7年 豊文社発行)より首領:バフンケ 榮濱郡相濱村
首領:アトイサランデ 眞岡郡廣地村字多蘭泊、首領:シベケン二シ 野田寒村字登富津、3名の首領の話を青山樹三郎氏が編集した本を私が個人的に要約したものです。樺太アイヌの風習を垣間見ることが出来ます。

樺太アイヌ人口  1708人 (大正5年)

豊原支庁  男212人・女219人

大泊支庁  男109人・女85人

眞岡支庁  男245人・女259人

敷香支庁  男79人・女78人

久春内支庁 男210人・女210人

樺太アイヌの分布

樺太アイヌの分界線は今より(大正)百二三十年前に確定しており、最北のアイヌ集落は西海岸は北緯49度の恵須取付近、東海岸は多來加及び内路でした。

この3点を結んだ線より以北はアイヌの集落は耐えてなく、以南にはその他の樺太先住民は影を見ずと記されています。北海道のアイヌが東西海岸に漂流土着したと考えられます。

文字

文字はなく、聞き覚えで言い伝えていました。

ただ現今のアイヌ児童は土人教育所にて日本語を学ぶものもありました。


首領

内淵〜多來加までに1人、内淵〜大谷・富内までに1人、大泊に1人、大能登呂1人、眞岡1人、名寄1人の樺太全島で6名の首領がいました。(世襲制)

権力は絶対で、事件の一切を裁判し刑罰を加える。

裁判

刑事:同族間で悪事をすれば相当の処分を受けます。悪事とは殺人・傷害・窃盗・詐欺・横領・姦通・放火・誘拐など

民事:金銭に関する民事訴訟はありません。困ったものは、集落のものがこれを助けることになっています。

刑罰

殺人罪:重い場合は生き埋め・またはマキリによる切腹、軽い場合は加害者が被害者側に宝            物を与える。(樺太アイヌはアシンべの罰と呼んでいます)

傷害罪:アシンベ

窃 盗:アシンベ、再犯の場合は指を切り落とす場合もあり。

詐欺・横領:アシンベただし、殆ど事例無し

姦 通:アシンベ、つまり姦夫が本夫に宝物を送る

放 火:アシンベ、ただし殆ど事例無し

誘 拐:アシンベ、連れ出したほうの親が連れ出されたほうの親へ宝物を送ります。

犯罪

集落内では大概のことは裁判をせずに治めるようにしており、実際犯罪は非常に少ないです。また勅令によってアイヌ間の民事刑事問題についてはアイヌの習慣に依っています。

宗教

神 :神様はいろいろなものがあります。山には山ノ神、海には海の神、地には地の神、太陽には太陽の神、月には月の神、と言うように皆神様があると信じています。

祭 神:毎日は祭りませんが、年に数度イナウを捧げて祭ります。

悪 神:人をだます狐が悪い神様と言われています。

死後の観念:樺太アイヌに仏教はありませんが善人は死後、親兄弟のいる楽しい良いところへ行き、悪人は地獄に行くと言い伝えられています。

熊 祭:熊祭りは樺太アイヌの一大祭で儀式もまた厳格です。目的は山の神様を祭るためで熊を祭るわけではありません。熊は山の神様へのお供えとして神様のもとに至ります。

教育

文字もないため学校もありませんでしたが、日本領有後は土人教育所が設けられ日本の文字を教える学校が出来ました。

財産

樺太アイヌ間では以前は金銭や貨幣は一切なく、唯一の財産は寶物です。寶物とは先祖から代代伝わる刀・槍・弓・矢・や満州人と交換した玉・織物・器物、さらに犬橇に使う樺太犬です。土地・物に権利を主張するものは少ない、天與の物と考えているためである。従って財産権を主張する民事訴訟が少ないのは当然のことである。

婚姻

嫁を娶るには親同士の約束が出来、本人の同意が必要になります。話が決まれば婿の家よりまづ12點の寶物を持参します。婚礼の式は特にありませんが近所や親戚のものと呑むぐらいのものです。

離婚

夫婦になってから双方が離別することを同意すれば妻は夫の家から出て実家に戻ります。このとき婚姻時の寶物は返しません。実家に復帰後は双方とも他の男女と結婚するのは自由です。

死亡

死亡すれば集落の者または親族近隣の者が死者の家に食物を送ります。死骸は皆で埋葬し木標を立てます。

姓氏

樺太アイヌには苗字はありません。親のつけた名前だけがありました。日本領になってから苗字が出来、今では日本人と同じ姓名です。

相続

家の主人が死亡すれば長男が相続し、男子無きときは女子が相続し、子供がない場合は子供をもらって相続人とする場合があります。また娘に婿養子をすることがあります。

食事

以前は米がないため魚肉を常食としていました。鱒鮭を乾燥させ、これに草根や木の実を混ぜてアザラシの油で煮て食します。全て海水で調理して食事しました。

獣肉類は熊・犬・鹿・海獣・牛・馬を食べ、山百合・海草・水草・韮・葱等の植物を好んで食します。冬は鱒の干物を削って常食としています。

職業

男子は主に鮭鱒の漁業及び狩猟です。魚類は常食ですが、冬は捕獲した犬・貂・獺・狐等の肉を食料にし毛皮は日本人と交換して様々な物を得ています。婦女は木草の皮をはぎ自ら被服を織ります。

樺太アイヌ人口減少の原因

強烈飲料の嗜好、血族結婚、食物の変化等も考えられますが主として、衛生意識や医療知識の欠如が考えられます。衛生の価値を知らず、家も粗末なため病人の静養すべき場所がなく病にかかれば多くが死亡し人口が漸次減少しています。出生率が高くても子供の死亡率が高いが現状です。

樺太アイヌ

樺太の在住民族人口(大正5年)

大正5年:樺太種族別人口

和人74372人

朝鮮人32人

樺太アイヌ1708人

ギリヤーク(ニブフ)108人

オロッコ(ウィルタ)347人

サンダー1人

キーリン(ツングース)24人

支那人21人

ロシア人91人

ドイツ人1人

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